【プロ監修】エアコンの水漏れを防ぐための対策3つと、応急処置!

2022年4月21日

エアコンは快適な生活を送るには、欠かせない家電です。そのエアコンから水漏れが起きたら、床は水浸しになりエアコンを修理するまで使えなくなってしまいます。

今回はエアコンの水漏れについて、ザベストコンディショニング株式会社で代表取締役を務める石原サンチェス陽一さんに、インタビューをしてきました。

なぜエアコンから水漏れするのか?その原因と対策。そして、もしも水漏れが起きてしまったときの応急処置とプロの水漏れ修理のテクニックについて、紹介していきます。

【監修】ザベストコンディショニング株式会社

    石原サンチェス陽一さん

エアコンの水漏れが起きる原因

エアコンが水漏れする原因は多種多様ですが、大きく分けて4つになります。 順に見ていきましょう。

part1:エアコンドレン(排水)の単純な水漏れ

(1)排水管の詰まり

最も多いのが、エアコンの排水(ドレン)管が詰まることによって、排水がうまくいかずに水漏れするケースです。

エアコンのフィルターを通り抜けた微細なほこりや、機器の鉄部からはがれたサビ、また黒や白、ピンク色をしたヘドロ状のスライム(ウィルスや雑菌のかたまり)などが詰まっている可能性があります。

これらがドレンパン(水の受け皿)や、水の流れが遅くなる横引き、曲がりの多い部分、防虫キャップ、エアカットバルブ(高気密住宅でドレンの流れを助けるもの)などに溜まり、排水管を詰まらせる事があります。

天井に埋め込まれているタイプのエアコンなどでは、ドレン(排水)ポンプの吸口の詰まりや、水位を感知するフロートセンサの固着などもあります。

(2)排水系統の破損

エアコンの排水管が経年劣化や紫外線硬化などで割れていることによって起こる水漏れにも、十分注意が必要です。 なぜなら、気づきにくい場所で水漏れを起こしている可能性もあるからです。

壁の中など予想外の場所で長期に渡り、気が付かない水漏れが起きることで、カビの発生、建物の躯体への影響など、家が傷む危険性が高まります。

また、ドレンパン(水受け皿)や、ドレンホースとのつなぎの部分、ホースの延長部分などに無理な力がかかり、割れたり接続がゆるむ事により、漏れが起きるケースもあります。 ドレン排水管の先に、腐食性のガスが発生する川や、汚水升(ます)があったことにより、機器の熱交換器の銅を腐食させ、ガス漏れが発生します。

同時に漏れた油によってドレンパンのプラスチックの部分が割れ水漏れに至ることも多くはないですが、注意すべきケースです。

(3)排水の逆流

ドレン排水管には水の重力で排水させるため、継続的な1/100勾配(1m横に行く毎に1cm下がる傾き)が義務づけられています。機器設置時などにこれが守られていなければ、排水の流れも悪くなり、また排水に勢いも無くなるため、ゴミ等も相対的につまり易くなります。

まれに誤って、全くの水平や、逆側に傾いている施工してしまったり、鳥居配管と言って、さがったり上がったりの流れにくい配管施工をしてしまう業者もいます。

また、高気密住宅などで換気(扇)のバランスが悪い為に、(室内の気圧が外の気圧よりも低い場合)重力で流れるようとするドレン水がストローのように、室内側に引っ張られ、きちんと排水されず、水漏れしてしまうことが増えてきています。(汚れが詰まりやすくはなりますがエアカットバルブを付ける対処法もあります)

オフィス用に多い天井カセット型など、機器の構造(ファンとドレンの位置関係)によっては、フィルターや蒸発器目詰まりでもドレンの付近に負圧(引っ張る力)を生じ水漏れにつながることもあります。

また、稀なケースですが、配管の設置状況が良くなく、地震などの後に、勾配が変わってしまったり、排水管やドレンパンなどが割れてしまうケースもあります。

地震のあとにエアコンやその周囲から水漏れが起き始めたら、エアコンの排水ルートの確認しましょう。

part2:結露による水漏れ

結露による水漏れもあります。これは、単純な水漏れとは異なります。

冷房は同時に除湿をするので蒸発器(上の写真の網のような部分)に露がつくのは当然ですが、ついてはいけない部分に露が発生すると、露を受ける部分が下に無いので、そのまま垂れてしまいます。

本来、露点温度(湿気が水滴になる温度点)になってしまう部分(室内機と室外機間の配管等)は、びっちりと保温材等で断熱がなされているはずです。

しかしここに隙間があって湿度(しつど)の高い空気が入ったり、保温材自体が薄く断熱能力が相対的に低かったりすることにより、結露水滴下の不具合が生じてしまいます。

part3:撥水による水漏れ(水飛び)

蒸発器の部分や吹き出し口から、水飛びが起こることもあります。

本来、風が流れる部分である蒸発器は親水性(水と馴染んでベタっとなる)であるべきです。しかしキッチンでの油の飛沫、化粧台でのエアスプレー、新築時の壁紙用接着剤等の揮発物質が蒸発器のアルミフィンなどに付着してしまうと、親水すべき結露水が、ワックスかけたての車の水滴の様に撥水してしまいます。

小さな水滴だったのが、コロコロと水玉になり、風に乗ってエアコンの外に出てきてしまいます。これがいわゆる水飛びです。

また、エアコンのガス欠や、ガス充填量過多、冷媒膨張弁(ぼうちょうべん)やセンサの不具合により蒸発器の部分の温度ムラが発生し、水飛びの症状を誘発する事もあります。

part.4:蒸発器(熱交換器)凍結による水漏れ

ファンの回転異常や汚れ、蒸発器自体の目詰まりや、エアフィルタの目詰まりにより、蒸発器の風が通りづらく、本来の温度帯より下がりすぎた結果、蒸発器自体が凍り始めます。

それが雪だるま式に氷が大きくなって、機械停止やサーモオフなどのタイミングでその氷が一気に溶けた時、ドレンパンで受けきれず一気に水漏れが発生するケースです。

エアコンが水漏れする可能性をセルフチェック

ここまで、エアコンが水漏れする原因を見てきました。次は、エアコンが水漏れする可能性を自分でチェックするにはどのような方法があるのかを紹介していきます。

排水管の先を見る

外に出て排水管からしっかりと排水されているか確認しましょう。排水管の先に草などが生えていないか、排水管の先が土に刺さっていないかなどを、冷房シーズン前に一度見てみましょう。

他にも、排水管の劣化の原因である紫外線を防ぐために、テープが巻いてあるか、ダクトカバーで施工している場合は、外れていないかも確認します。

テープを巻いていない部分は、劣化してドレンホースが粉のようにポロポロ割れていないかなど、注意しましょう。

フィルターの汚れの状態を確認する

エアコン前面のカバーを開くと、フィルターの汚れ具合を確認できます。もしもフィルターにびっしりとゴミが詰まっていたら、水漏れする危険性があります。早急に掃除するようにしましょう。

お掃除機能がついている機器でも、ダストボックスや、清掃ブラシなどにホコリが詰まって、本来の機能を果たしていないこともあります。 お掃除機能付きだからとほったらかしにせず、シーズン前に確認するようにしましょう。

エアコンの水漏れを起こさないための対策

エアコンの水漏れを起こさないための対策は3つです。

  1. 配管をしっかりと固定する
  2. フィルターを掃除する
  3. 取り付けやクリーニングは腕のあるプロに依頼する

以下の順に説明していきます。

配管をしっかりと固定する

排水管などの配管をしっかりと固定することが非常に重要になります。特に横引きしているは配管自体の重さによって、たるんで勾配が悪くなったり、一点に負荷がかかり、劣化破損等の事態にならないためにも、配管を適宜固定しましょう。

ただし、あまりしっかり固定しすぎると、地震などで動いたときにこれも負荷が集中します。つなぎの部分の固定は、たるまない程度に遊びを持ちましょう。

フィルターを掃除する

フィルターは皆さんが予想している以上に、高頻度で掃除することがおすすめです。特にほこりの出やすいベッドルームなどは注意が必要です。 家の中の環境によってフィルターの汚れ具合は違いますが、2週間に1回がベスト。最低でも1か月に一回は掃除するようにしましょう。

前述した通り、自動掃除が機能していないこともあります。 自分でフィルターの掃除をすることも、忘れないようにしてください。

取り付けやクリーニングは腕のあるプロに依頼する

ドレン配管の施工はもちろんのこと、エアコン自体の施工・機種選定・取付位置、高さなど、取付時の選択で、将来的にも水漏れするリスクを減らせます。

そのため、取り付けは経験豊かなプロに依頼することがおすすめです。

プロを選ぶときのポイント

これは水漏れ以外に関しても言える事ですが、エアコンクリーニングにおいても、価格だけで選ばないことが重要です。

10年以上前から、壁掛型のルームエアコンはどのメーカーも例外なく奥に折れ込んだ湾曲(わんきょく)熱交換器(蒸発/凝縮器)が主流になりました。 これは、主に省エネの為に、熱の交換部分の表面積を広くするためのものです。 側面から見るこの山型(逆V型)熱交換器は、正面から奥側が、見えません。

エアコンクリーニングの際、本体を外さなければ、洗浄用のノズルも届かない(お客様から見えない、本当は洗えていない)部分があることになります。

更に、主流であるこのタイプのエアコンは、機械の背面(取付用の鉄板と接している部分)に、ドレン排水用の溝(みぞ)があります。 この部分の清掃は本体をそっくり取り外さなければ物理的に不可能なところです。

この見えない部分の洗い残しのゴミ詰まりもかなり多い確率で水漏れを誘発します。 見た目の価格にとらわれず、クリーニング時には、電気部品の取り外し、ファンの取り外しはもとより、状況によっては本体を脱着作業する技術のある業者選びが必要です。

エアコンが水漏れした場合の応急処置

対策をしていてもエアコンから水漏れはします。もしも水漏れをしてしまったら、まずは何をするべきなのか?エアコンが水漏れしたときの応急処置について、順序だてて説明していきます。

⑴エアコンを止める

エアコンを止めてください感電やエアコンの故障につながる前に、すぐにエアコンを止めます。

⑵コンセントを抜く

次にコンセントを抜いてください。こうすることで感電のリスクや、更なる機器の故障の可能性を下げることができます。水漏れによって発生した水を通して、電気が体に流れてくるかもしれません。

エアコンに触る前には、絶対コンセントを抜いてください。

⑶水漏れで出た水を拭く

コンセントを抜いてから水を拭き取るようにしてください。そして、プロに水漏れ修理を依頼しましょう。

【自力で直す】バキュームクリーナー

排水管がつまりやすいということがあらかじめ分かっている場合は、バキュームクリーナーを使ってもよいかもしれません。

商品名:イチネンTASCO-TA918SX

価格:2287円

特徴:エアコンの水漏れの原因である排水管のつまりを解消に最適。角度を調節できるノズルもあるので、作業しにくい場所でも手軽に使用可能。

ただエアコンの水漏れの原因が分からない場合には、プロに依頼する方が確実に修理でき、無駄な時間もお金も使わずに済みます。

エアコンの排水管がつまりやすいとあらかじめ分かっている人であれば、購入を検討するのもよいかもしれません。

エアコンのプロの水漏れテクニック

エアコンのプロだからこそできる、水漏れ修理のテクニックがあります。一般の人ではできないプロのテクニックをご紹介します。

適切な故障の原因の判断

先ほども紹介したように、エアコンの水漏れの原因は多種多様です。プロであれば、これまで数々のエアコンの水漏れの仕方を経験してきているので、テキパキと原因を究明できます。

入手出来ない部品の作成

製造終了より9年が終了しているようなエアコンは、メーカーの部品の製造義務の期間を過ぎており、部品によっては調達困難な事もあります。

プロであればドレンパン、パネルなど単純な形状の樹脂(プラスチック)部材の場合には、エポキシ樹脂で部品を作成して水漏れ修理をすることもできます。

※水漏れの穴埋めや部品を成形するときにシリコンコーキング材を用いる場合もありますが、部分によっては、全く適さず、再度水漏れを起こす可能性もあります。どんな素材で成形するのかは修理時とても重要です。

後付けポンプの設置

勾配が取れない部分(地下室など)への設置や、どうしても排水の流れが悪い場合、プロであれば容量に見合った後付けの排水ポンプを設置することもできます。

エアコンの水漏れを直したいならZehitomoで依頼

エアコンから水漏れしてきたけど、どこに修理を依頼したらいいか分からない。そんなときは、ZehitomoがAIを使って、あなたにピッタリのプロをご紹介いたします。

エアコンの水漏れに悩んでいる方は、ぜひZehitomoからお近くのプロを探してみてください。

最後に、専門家からのコメント

どんなエアコンも水漏れの可能性を秘めています。

まずは、下にテレビなどの電化製品を置かないこと。また万が一水漏れをしたら、すぐに機械のコンセントを抜く(またはブレーカー落とす)ことです。

作業も初期提示の金額だけで選ばず、クリーニングならどこまでの分解作業をやるのか(電気部品や ファンは全部外すのか取付たまま洗うのか? 本体は脱着して全分解するのかなど)取付工事ならどんな部材を使い、どこに配管を通すのか、穴を開けてもいい場所なのか、などを確認した上で、予算や業者の検討に入りましょう。

クリーニング不良や工事の不良の影響は数ヶ月経ってから起こることもあり、水漏れにガス漏れ、油漏れによる建物の補修などお客様の負担とされてしまう事も多々あります。そういう事態を避ける為にも、作業内容や配管の経路、断熱の方法など隠れてしまう部分の写真を撮らせてもらい、記録に残すのも一つの安全策でしょう。

この記事が皆様のヒントになりますように。

取材協力・記事監修いただいた専門家

ザ ベストコンディショニング株式会社代表取締役           :石原サンチェス陽一さん

文科省 衛生工学技術士補、建設業監理技術者など40個以上の関連資格を持つ。

東京ガス、ダイキン工業や三菱電機協力店のサービスマンとして 修理 工事 設備設計など 計30年に渡り従事。現在は大手コンビニエンスストア 350店舗のエアコンメンテナンスを担当。

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